貯金は使わず、家計のやりくりは楽ちん、車のメンテナンスはおまかせしたい人のためのブログです。
この記事を読んで欲しいのは、こんな人!!
- カーリースの残価設定って何?
- ディーラーの残クレと何が違うの?
- 残価とか、とにかく難しくてよくわからない・・・。
カーリースを検討する上で、残価設定の理解は必須だと思います。
しかし独特な言葉ゆえに、あまりよく理解できていない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、残価に関する解説をかなり深掘りしていきます。
正直言って全て理解しなくてもカーリースの契約はできますので、あなたにとって必要な箇所だけ目を通していただければ良いかと思います。
~この記事を読んでわかること~
- カーリースの残価設定について理解できる。
- オープンエンド契約とクローズドエンド契約について理解できる。
- 残クレ(残価型クレジット)との違いが理解できる。
【くるまぶ軽カーリース】の運営者、サケノリと申します。
自動車関連の現役営業マンで、業界歴は15年。
カーリースに関しては、今年で3年目です。
カーリースのプロとして、軽自動車の便利・楽・安心なリースプランを提案します。
目次
残価設定について徹底解説
残価とは、車の将来の価値のこと
残価とは、カーリースの契約が終了する時点の、車に残された価値のことです。
これだけだとちょっとモヤモヤしていると思うので、具体例を出します。
(200万円の新車を5年リースした場合の一例)
200万円の車を、カーリースで5年契約するとします。
契約が満了する5年後の車の価値が50万円だと想定すると、残価は50万円になります。
リース契約は残価を差し引きますので、150万円が残価設定された車両価格となります。
200万円(新車価格)-50万円(残価)=150万円(残価設定された車両価格)
オートローンとの違い
先ほどの200万円の車の例で考えます。
オートローンは200万円丸々を分割しますので、それぞれ5年契約の場合、以下のような違いが出ます。
カーリース5年(60ヵ月)契約
150万円÷60=25,000円/月
オートローン5年(60ヵ月)払い
200万円÷60=33,333円/月
(※説明のための一例です。小数点以下切り捨て、金利・リース料率は考慮していません。)
残価設定することで、月々の支払金額に大きな差がでました。
これが残価設定することのメリットです。
但しカーリースの場合は、税金や車検費用・メンテナンス代も加算されますので、実際のリース料はもっと高くなります。
ここで解説しているのは、車両代に関しての話になりますのでご注意ください。
将来の価値の基準
残価については、もう少し深掘りしていきます。
将来の価値(例で言えば50万円)って、そもそも何の基準で算出されるのでしょうか?
その答えは、残価=将来の市場価値です。
サケノリは残価を説明する時に、『将来の下取り価格(つまり車を売った時の価格)』という表現をよくします。
説明する上では、この表現が一番わかりやすいからです。
でも実際は意味合いが若干異なります。
実際は、市場価値=下取り価格ではないからです。
では市場価値って、一体何のことなのでしょうか?
このままだと話がどんどん脱線していきますので、ここでは詳細は割愛します。
実は中古車は、全国にあるオートオークションというところで流通しています。
オートオークションは、業者間の売買の場、野菜や魚で言えばセリ市場のような場所です。
そのオートオークションで取引される価格が、市場価格となります。
車買取店ってありますが、お客さんから買取りした車をオークションへ転売して利益を得ています。
つまり市場価格=下取り価格ではありません。
かなり遠回りしましたが結論、残価はリース契約終了後の市場価値を予測して算出します。
そこだけ覚えておいてください。
次のパートで関わってきます。
オートオークションについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
オープンエンドとクローズドエンドの2つの契約
さて、ここまで残価設定について解説してきましたが、実は残価設定には2種類あります。
それがオープンエンド契約とクローズドエンド契約です。
まずそれぞれの特徴を、以下の(表1)でまとめます。
(表1) | オープンエンド契約 | クローズドエンド契約 |
残価の開示 | する | しない |
市場価値変動リスク | 契約者が負担 | カーリース会社が負担 |
車両価値変動リスク | 契約者が負担 | 契約者が負担 |
(市場価値の変動リスクについて)
設定される残価は、あくまでも将来の予測です。
実際は契約終了時の車両価値と、予測した残価が同一とは限りません。
この部分のリスクを背負うのが、オープンエンドとクローズドエンドで異なります。
(車両価値の変動リスクについて)
契約期間中に車をぶつけたり事故を起こしたりすると、車の価値が下がります。
その価値低下リスクは、車を利用している契約者が背負います。
オープンエンド契約を解説
残クレ及び一部のカーリースで契約が可能。
オープンエンド契約は、契約終了後にあなたが残価を支払う契約です。
契約時に「残価設定は50万円です。契約終了時に50万円を支払ってください。」と言われます。(残価の開示)
オープンエンド契約は、契約満了時に50万円で中古車を買うという意味になりますが、もう乗らないのであれば車をどこかへ売りに行くのは自由です。
しかし市場価値が下がっていて、30万円でしか売れなかった場合は20万円損してしまいます。
この20万円の損失が、市場価値変動リスクとなります。
クローズドエンド契約を解説
一般的にカーリースはこちらの契約が多いです。
クローズドエンド契約は、契約終了後、リース会社に車を返却して終了となります。
つまりあなたは残価を支払いません。
そのため、契約時に残価がいくらであるかは開示されません。
リース会社は車を回収後、中古車として転売したりレンタカーとして利用し、残価の回収をします。
残価が50万円だとして、オークションへ転売した時に30万円でしか売れなければ20万円の損失となり、この場合はリース会社が背負います。
オープンエンド契約のメリットとデメリット
メリット
月額料金をかなり安くもできる。
デメリット
市場価値変動リスクを受けやすい。
オープンエンド契約は、残価率が高い傾向があります。
残価率を上げると月額料金を下げられるからです。
その方がお得感が出ますし、実際に契約満了までは月々の支払いの負担を軽くできます。
しかし契約終了時には、残りの残価を支払わなければいけません。
残価率が高ければその分、最終月に支払う金額も大きくなります。
価率を上げるということは、その分だけ将来の市場価値との差が広がることになります。
つまり市場価値変動リスクを受けやすくなります。
(新車200万円-残価50万円=150万円を5年で分割する場合)
月額25,000円、最終支払い50万円
契約終了後に市場価値が40万円だった場合、10万円の損失
(新車200万円-残価100万円=100万円を5年で分割する場合)→残価率アップ
月額16,666円、最終支払い100万円
契約終了後に市場価値が40万円だった場合、60万円の損失
(※説明のための一例です。小数点以下切り捨て、金利・リース料率は考慮していません。)
クローズドエンド契約のメリットとデメリット
メリット
市場価値変動リスクを受けない。
デメリット
オープンエンド契約と比べると月額料金は高くなる。
クローズドエンド契約は、かなり無難な残価率で設定されます。
リース会社も市場価値変動リスクは避けたいのが理由です。
残価が低すぎると、競合する他のリース会社に価格負けしてしまうので、結果として無難な残価率となります。
クローズドエンド契約では、あなたは市場価値変動リスクを負いません。
車を返却して終わりなので、こちらの方が契約満了時のトラブルが少ないです。
要注意!!月額料金だけで決めてはいけない理由
あなたに一つ質問します。
A社とB社の2社で、リース料金の相みつを取ったとします。
どちらも同じ車、同じ契約年数、同じ内容のリースプランです。
以下の条件が提示された場合、あなたならどちらと契約しますか?
A社 月々25,000円のリース料
B社 月々15,000円のリース料
もしあなたがこの記事を読んでいなければ、迷わずB社を選択したでしょう。
でもここまで読んでいただいたあなたなら、疑問に思うはずです。
「B社はひょっとしてオープンエンド契約では?」
オープンエンド契約とクローズドエンド契約で、どちらが良い悪いは人によると思います。
とりあえずできるだけ月額料金を抑えながらお金を貯金し、最終月でガッツリ支払いたいのであればオープンエンド契約もありでしょう。
逆に無理のない支払い計画の範囲で、それでも残価とか市場価値変動リスクとか気にしたくないのであれば、クローズドエンド契約を選択すべきです。
重要なのは、今のあなたには、その部分を考えるための思考が身についたということです。
このことが、今後の参考になれば幸いです。
残クレ(残価型クレジット)とカーリースの決定的な違い
残価型クレジットは、残価据え置き型契約とも呼ばれるオープンエンド契約です。
残価率が高いので、契約時には月々の支払い料金が安く見えます。
しかし契約終了後に高い残価を一括または分割で支払うことになるので注意が必要です。
一般的なカーリースはクローズドエンド契約です。
残価率はそんなに高くありませんが、最終的に残価は支払わず返却して終了です。
残クレと比較すると月々の料金が高くなりますが、残価率が影響している部分が大きいためです。
補足ですが格安リースの場合、オープンエンド契約の可能性があるので注意が必要です。
カーリースの残価設定 まとめ
最後に、カーリースの残価設定についてまとめておきます。
まず残価とは、リース契約する車両の、将来の市場価値のことです。
5年契約のカーリースであれば、リース契約が終了する5年後の市場価値を予測し、予め差し引きされます。
残価分を差し引きされる、つまり残価設定することで、車両代に関してはオートローンより月々の支払い金額が安くなります。
残価設定する契約は、オープンエンドとクローズドエンドの、2種類の契約に分かれます。
オープンエンドは買取型の契約で、残価率が高くなる分だけ月々の支払いが軽くなりますが、最終月で据え置きされた残価を支払う必要があります。
クローズドエンドは返却型の契約で、残価率は無難ですが、残価の支払いはせず車を返却します。
一般的なカーリースはクローズドエンド契約が多いですが、格安リースだとオープンエンド契約になってたりします。
また残価型クレジットは、残価据置き型のオープンエンド契約です。
単純に月々の料金だけでカーリースと残クレを比較してしまうと、後々困ることになるかもしれませんので注意が必要です。
カーリースに関するその他の情報は、こちらのまとめ記事が便利です。
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